≪御祭神≫
・八井耳玉命（やゐみみたまのみこと）【甲佐明神】・・・［健磐龍命の外兄弟］
・蒲池比咩命（かまちひめのみこと）・・・［阿蘇大神の外祖］
・健磐龍命（たけいはたつのみこと）【阿蘇大神】・・・［神八井耳命の御子・日子八井命の甥］
・神倭磐余彦命（かむやまといはれひこのみこと）【神武天皇】［初代天皇］
・媛蹈鞴五十鈴媛命（ひめたたらいすずひめのみこと）
甲佐神社は、甲佐町役場から国道443号線を少し南に下り、緑川に沿って走る県道220号線（甲佐・三本松線）を東に向かって進んで行くと鎮座しています。
阿蘇神社（阿蘇市）・郡浦神社（宇城市三角町）・健軍神社（熊本市東区）と共に『阿蘇四社』と称せられ、人々からは肥後南方の守護神として信仰されてきたそうです。
由来によると、創建は孝元天皇26年（紀元前189年）。
阿蘇大神（健磐龍命）自ら鏑矢を放ち、その矢が止まった所に宮殿を建立したと伝わります。それにより社号を「鏑崎宮」と称していましたが、その後、神功皇后（じんぐうこうごう）三韓征伐ののち、甲冑を納められたので「甲佐宮」と改めて称されるようになりました。
仁寿元年（851年）に、健磐龍命（たけいはたつのみこと）・蒲池比咩命（かまちひめのみこと）、寶徳2年（1450年）に、神倭磐余彦命（かむやまといはれひこのみこと）・媛蹈鞴五十鈴媛命（ひめたたらいすずひめのみこと）が配祀されたと伝わります。
天正16年（1588年）、豊臣氏より小西行長（こにし ゆきなが）は肥後南方五郎を賜りましたが邪蘇を信じ領内・神社佛閣を焼亡されました。それにより安平ノ山宮に遷座しましたが社殿甲冑勅書古文書等烏有に帰したといいます。
加藤清正（かとう きよまさ）肥後守となると旧跡に仮社殿を設けこれを再興、続いて細川氏が入国の後の元禄12年（1699年）柏原山林木を寄附され社殿を造営され、これにより益々広大堅牢となりました。
不幸にして明治27年10月24日午前2時（1894年）拝殿より出火、神体を奉遷しましたが、悲惨にも社殿等焼失してしまったといいます。これによって当時町村長氏子が奮て再築し、明治31年4月3日起工、同31年10月遷宮されたそうです。
参道
社殿
神額
「蒙古襲来絵詞」大絵馬の一部
鎌倉時代、元（モンゴル）の大軍がニ度にわたり日本に攻め寄せてきた文永の役（1274年）弘安の役（1281年）。元寇、蒙古襲来ともいいます。
当時、甲佐神社は肥後国のニの宮として松橋や小川にいたる広大な社領を有していたそうです。
松橋の竹崎に住んでいた鎌倉幕府の御家人竹崎季長（たけざき すえなが）は文永の役（1274年）に出陣して手柄をたてましたが恩賞からもれてしまいました。そこへ夢の中で甲佐大明神のお告げがあり、鎌倉へ行き直訴したところ幕府から海東（宇城市小川町東部）の地頭職を腸りました。弘安の役が終わり、季長は願いが成ったのも甲佐大明神のおかげであると、自分が戦っている様子を「蒙古襲来絵詞」（もうこしゅうらいえことば）として描かせ、甲佐神社に奉納しました。絵詞は、縦幅約40㎝、長さは前後巻を合わせると約40ｍにも及ぶそうです。
その後、蒙古襲来絵詞（国宝）は名和氏、大矢野氏などを経て、天皇に献上され御物となり、現在は宮内庁の所蔵となっているそうです。その中から、重要な場面を選んで拡大模写したのが、この大絵馬です。
御本殿
願成桜
文永の役に出陣して手柄をたてたが恩賞からもれて悔しい思いをしていた鎌倉幕府の御家人竹崎季長の夢の中に「甲佐神社に参れ」とお告げがあり、甲佐神社に参拝すると、境内の東にある桜の枝に甲佐大明神があらわれてお告げがあったといいます。
それから七百年が経ち、地元の人々が復活を願って願成桜を継ぐものとして若桜を植栽したそうです。（案内板から一部）
【甲佐神社】：熊本県上益城郡甲佐町大字上揚882⇒[ Googleマップ ]
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